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2016年鐘11月号巻頭言

 死者の日によせて 

主任司祭 ミカエル 山浦 義春

 

現在のカトリック教会の典礼暦では、11月は帰天された方々に特別に祈りを捧げる「死者の月」となっています。諸聖人の祭日(11月1日)の翌日11月2日は「死者の日」としてミサや祈りが行われています。カトリック教会では古くは2世紀頃から死者のための祈りがはじめられ、次第にミサが行われるようになりました。現在のように特定の日に死者のためのミサが行われるようになったのは7世紀の初めごろと言われています。そして諸聖人の祭日の翌日に「死者の日」のミサを行うようになったのは、10世紀ごろのフランスのクリュニー修道院からと言われています。それから200年の歳月を経て、ヨーロッパにこの慣習が根付き、教会暦として整備されてきました。私が感じるのは暦として定着するほど、帰天された方への思いは計り知れないものだったということです。

この死者を重んじ、畏敬の念をいだくということはカトリックにはじまったものではありませんでんでした。ヨーロッパではカトリックの祈り・ミサが広がる以前に、すでにローマ領内で異教の「御先祖の祭り」が行われていました。これは死後3日目、7日目、30日目と年の命日に家族がお墓の周りに集まり食事をするというものでした。この人たちが行っていた異教の捧げものが、後にカトリックのミサに代わり、この異教の伝統を受け継ぐかたちになりました。このように11月の「死者の月」と11月2日の「死者の日」は、様々な伝統を取り入れ定められてました。

最近では典礼にも少しの変化が見られました。それは葬儀・告別・納骨など死者の典礼(ミサや祈り)が執り行われる場合、以前は黒や紫などの死、悲しみ、死者の贖罪を表す色の祭服を用いていましたが、現在は白を用い、神様への傍らにいることの喜びと希望を表すようになりました。私たちはこの月、聖堂で、そしてお墓の前で、帰天された方のためにお祈りをする機会が増えると思います。亡くなられた方々が、神様の傍らにいることができるように祈りましょう。カトリックにおいてこの地上での肉体の死は終わりではありません。死を通して新しい生命が始まります。その始まりは神様の傍らに行くことです。そのためにも、煉獄にいる霊魂のために、その救霊のために、祈りましょう。